2012年12月22日土曜日

大切なことはすべて国道1号線の青看板が教えてくれた Ver.2012 (その1)

予告編のつづき、本編です。
長くなりそうなので3分割くらいして更新予定。
まずは「24時間で550kmを走り切るってどれだけキツイの?」っていう素朴な疑問からはじめてみます。


こんてんつ

  1. 敵を知る
    • 目標のブレイクダウン 〜24時間で550km走り切るために〜
      • 550km/24h ≒ 23km/h
    • 所要時間 = 走行時間 + 停止時間
    • 「走行時間を削れないなら、停止時間を削ればいいじゃない」
    • 走行ペースから逆算し、途中地点の予定通過時刻を設定
    • 走行ルートは事前予習で完全に覚える
      • ルートラボと試走の繰り返し

目標のブレイクダウン

550kmを24時間で走り切るために、1時間あたり何キロ進まなければならないのでしょうか。

カンタンな割り算をすると24時間ひたすら23km/h以上をキープする必要がありそうだとわかります。
この数値を見ただけでは「なんだラクショーじゃねえか」「なにがキャノボだよ調子乗るなよクソが・・・」と思う人が多いことでしょう。ちょっとトレーニングしている人からしたら23km/hという数値はお散歩レベルのゆるいスピードでしかありません。

しかし、23km/hで24時間走り続けるのは本当に「ラクショー」なのでしょうか。
もし「ラクショー」であれば、24時間で550km走りきったという方のレポートがネット上にゴロゴロ転がっていてもおかしくないですよね。

ここでは先の割り算で出てきた23km/hという数値が、いわゆる「グロス」の数値であることに注意が必要です。もう少し詳しく見ていきましょう。


「グロス」と「ネット」のちがい

けっこうわかりにくいし、ごちゃまぜになる方が多いとか多くないとか。
むかし2ちゃんねるのスレにわかりやすい図説があったのでそのまま流用します。


489 : ツール・ド・名無しさん : 2011/07/14(木) 00:54:28.87

_/ ̄ ̄\_/ ̄ ̄\_ 速度の変動がこうだとして

(1)   ̄ ̄   ̄ ̄      ←これが航空機や車でいうところの巡航速度

(2)/ ̄ ̄\/ ̄ ̄\    ←停止中の分を抜いて平均速度を出すサイコンではこの平均

(3)_/ ̄ ̄\_/ ̄ ̄\_ ←停止中を含む平均速度ならこの平均(走行距離/所要時間)

(1)~(3)を表す用語が統一されてるわけではないのでややこしい
キャノボルートみたいに信号が多いと
(3)を25km/hにするには平地での(1)は35km/hくらい必要


上の図でいう(3)がグロスの平均時速、(2)がネットの平均時速です。
信号ストップの多いルートや時間帯を選んだりコンビニでの停止時間が長いと、
いくら巡航速度が高くてもグロスの平均時速で23km/hを割ってしまいます。


時短の基本的な考えかた

「グロス」と「ネット」の違いを踏まえたうえで、「東京から大阪までの所要時間を縮める」手段をまとめてみます。

  1. 走行距離を減らす
    • 可能な限り最短経路を選んで走行する
  2. 走行時間を減らす ≒ 巡航速度を高くする
    • 機材をグレードアップする
    • エンジン(身体)をチューンアップする
    • クルマの走行風を利用する
  3. 停止時間を減らす
    • 信号の少ないルート/時間帯を選択して走る
    • コンビニストップの時間を減らす

減らしやすさは1>>>3>>>>>>2くらいと考えてもらえればいいと思います。
たった数週間で体力レベルが向上することなんてまずありませんし、最短ルートもだいたい固定化されています。

なかでも効果大なのが停止時間の短縮、なかでも「コンビニでの停止時間」を削ることです。
550kmの行程で70kmごと、つまり7回前後コンビニへ補給やトイレのために停止するとします。
1回あたりのストップを20分から10分に削るとトータルで140分→70分と大幅短縮。
走行時間を70分削るには血の滲むような努力が必要なことを考えると、やらない手はないですね。


走行ルートは綿密に調べる

ルートの下調べは十分すぎるくらいにやりましょう。

道に迷ってスマホの地図アプリで調べている暇はありません。
GPSデバイスにルート案内させて走るのもアリですが、突然のバッテリー切れやフリーズなどに対応するためにも暗記するくらいの意気込みで準備しましょう。当日の余裕度が違います。

注意すべきは静岡県内の国道1号線。
バイパス整備が進んでおり、自転車走行ができない箇所が多いです。
くわしくはググりましょう。バイパス回避の仕方や走行レポートが出てくるはずです。

走行ルートを試走するのも非常に有効です。
信号や大型トラックの多さとか渋滞の頻度とか、風の強さ・向きや気温の上がり下がりなどは、実際に走ってみないとなかなか気づきにくいものです。


時刻表をつくってシミュレーションする

ルート調査や試走の結果を踏まえつつ、スタートからゴールまでに停止するコンビニ(6〜7箇所)と中間点(浜松)、峠のふもと(箱根峠、金谷峠)などをいつまでに通過するかをExcelで表にしてまとめてみます。

実際に通過時刻を打ち込んでいくことで、自分にとってムリのあるペースかどうかを判断しやすくなるので有効です。当日はプリントした紙をトップチューブバックに忍ばせるといいかも。

以下は一例。

PC/CP 地名 距離 通過時刻 累積タイム 区間タイム 累積速度 区間速度
START 日本橋 0km 1:00 0:00 0:00 -km/h -km/h
PC1 セブン箱根湯本 93km 4:40 3:40 3:40 25.3km/h 25.3km/h
- - - - - - -
中間点 セブン浜松篠原町 271km 12:20 11:20 3:45 24.1km/h 27.0km/h
- - - - - - -
KOM 鈴鹿峠 442km 20:00 19:00 0:30 23.2km/h 18.9km/h
- - - - - - -
GOAL 梅田新道 545km 24:30 23:30 0:30 23.2km/h 22.0km/h

(その2)につづく。

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